肝心の居間のものはほとんど使いません。温度はみごとに下がりますが、まるで梅雨どきの涼しい日のようになって湿っぽく、心地よくないからです。冷房というと、私たちは思わず温度を下げることを考えますし、一般にも冷房温度は27℃にしよう、と温度で表現します。しかし、日本の夏の不快感は、温度もさることながら湿度からくるものが大きいのです。日本では暑くなるとともに湿度も上がり、蒸し暑さに悩まされますが、逆に欧米では、ほとんどの地域で夏に温度が上がると湿度は下がるので、暑いけれど蒸し暑くはありません。2003年の夏の猛暑では、フランスだけで1万人以上が死亡しましたが、その原因には冷房が装備されていない家や施設が多かったこともあります。砂漠地帯では、40℃近い暑さの中にあっても、木陰に入ればさらっとして快適です。私が砂漠地方を旅行したあと、帰国して空港で飛行機のドアから出たときのムッとした暑さが忘れられませんが、そのときの気温はたった26・5℃でした。
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